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【連載】自由が丘クリニック恵理ドクターの美容医療コラム VOL.07(2022.11)さまざまな肌乾燥の原因

更新日:2023年4月14日


専門医が教える美容コラム(全11回)

 

【連載】自由が丘クリニック恵理ドクターの美容医療コラム VOL.07(2022.11)さまざまな肌乾燥の原因


リア機能を整え、肌を守る

日に日に空気が乾燥してきたことで、今年も冬が近づいてきたのだと実感します。屋内では暖房によって、さらに空気が乾燥しますね。そんな季節の1番のお悩みは、やはり肌乾燥です。


人の身体はよく出来ていて、肌は環境からのストレスに常に対応しています。皮膚の表面が気候に合わせて変化して、肌を守ってくれる仕組みになっています。しかし、温暖化の影響はここにも。なんと、国土交通省の発表によると、東京の11月の湿度はこの50年間で10%程度低くなっているそうです。現代人の肌には、より強く乾燥の影響があると考えらえます。


さらに、環境だけではなく、加齢による影響も無視できません。皮脂量は年齢とともに変化し、女性は45歳ごろから減少。特に高齢者では皮脂欠乏状態が顕著となります。


その他、石鹸などの界面活性剤や入浴で皮脂が溶かされるなど、環境因子によっても皮膚の乾燥が助長されます。


さて、ここで肌を守る角質が持つバリア機能を説明していきます。バリア機能には、大きく分けて2つの働きがあります。1つは体内の水分の蒸散を防ぎ、皮膚の水分量を保つ作用。そしてもう1つは、ダニ、ほこり、花粉といったアレルゲンの侵入を防ぐ作用です。


これを理解するために、医学部の授業で初めて聞いた際に、衝撃を受けたことをお話しします。多くの人が持つ食物アレルギーですが、実はアレルゲンを食べたことが原因で生じるのではなく、バリア機能障害のある皮膚からのアレルゲン感作により生じると考えられているということです。ということは、皮脂分泌の少ない赤ちゃんにもバリア機能の破綻が起こりやすく、破綻した皮膚にアレルゲンが触れて侵入することで、食物アレルギーが起きる可能性があります。赤ちゃんの肌も、正しく保湿することが大事になります。


バリア機能の低下や傷ついた皮膚の機能を回復させるために大切なことは、スキンケアです。保湿剤によって乾燥を防ぎ、セラミドなど角質細胞間脂質層の成分である脂質を補って、皮膚バリアを補強することが有効です。(それ以上進行し、湿疹になってしまうと病院を受診する事になります。)


肌質や状態はそれぞれ違いますので、自分にあうスキンケア用品を探すためにいくつか提案があります。


実際、基礎化粧品を探す際に、他人のクチコミだけではその人と自分で肌質も異なるため、合うものを見つけるには難しいことも多いです。なので、サンプルを使って自分の肌で判断する、または季節ごとに肌診断をして肌の状態をチェックし、今の自分の肌に安心して使えられるものを見つける、という方法があります。不調を無視せずに、その都度、出来る対応をしていくことが大切です。


肌のバリア機能
出典:自由が丘クリニック

 

古山恵理,自由が丘クリニック,ドクター,医師

執筆 / 古山恵理(ふるやま えり)

自由が丘クリニック形成外科部長
国立病院などで形成外科医として経験を重ね自由が丘クリニック入職
日本形成外科学会専門医

自由が丘クリニック,ウェブサイト,Instagram,インスタグラム,SNS,YouTube,動画


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